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Channel: 村の模型屋のブログ
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男の料理アラカルト[26] : 炒醤麺(ジャージャー麺)

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  もう一週間以上前のことですが、突然、ジャージャー麺が食べたくなりました。ジャージャー麵って、茹でただけの麵に肉味噌の餡(あん)をかけ、細切りのキュウリなどを載せて混ぜて食べるという簡単な中華料理ですが、中華料理屋ならどこにでもあるものではなく、焼きそばはあってもジャージャー麵はメニューにない店が多いんです。
  炸醤麺(ジャージアンミエン:中国語読み)は、中国の北部、主に北京周辺などの家庭料理で、豚挽肉と細かく切ったタケノコやシイタケなどを豆味噌や豆鼓醤(トウチジャン)で炒めて作った 「炸醤」 と呼ばれる肉味噌を、茹でた麺の上に乗せた料理。というのは、Wikipediaからの受け売りです。

  私の記憶の中では、入社したときから20年ぐらいにわたって六本木五丁目にあった上海料理店(店名失念)のものが一等賞。麺にかける餡には、炒めた挽肉に加えて定番のタケノコとシイタケのみじん切りが入っていて、汁気の多いドロっとしたもの。お味は上海風で控えめながら、醤油リッチで鶏出汁のきいた一品でした。
  もう一つは、知る人ぞ知る中国料理チェーン 『維新號』 のもので、こちらは汁気の少ない挽肉だけの餡だったと思います。維新號銀座店は、例の中国人ママが経営する店のはす向かいにあるんで、夜のクラブ活動の前に何回か一緒に食べに行きました。
  維新號のジャージャー麵も甲乙つけがたいぐらい美味いんですが、何品か料理を食べた後のシメなんで一人一人前はとても食べられない。かと言って、一人前を半分こじゃもの足りない。そこで、大盛りを一つ注文して二人で分けて食べてました。

  そんな思い出深い料理を食べたくなっても、東京でもそう簡単にありつけないものがこの辺境の地 にあるわけがない(だいたい、中華料理屋がそんなにない)。ないんなら自分で作るしかない、ということで先ずは検索してみると食べログにいくらでもレシピがあったんで、簡単そうなのをチョイスして早速トライ

イメージ 2  材料は、牛・豚の合挽肉 130g、シマダヤの焼そば1玉(150g)、おろし生ニンニク、おろし生ショウガ、甜麺醤(テンメンジャン)、コチュジャン、キュウリ(中1本)。それから、写真にはないけど他に白湯スープの素(ペ
ースト)、塩、醤油など。








イメージ 1  さあ、調理開始!。先ずは、大さじ2杯のゴマ油に小さじ1杯の白湯スープの素を加えて中火にかけ、おろし生ニンニクとおろし生ショウガを投入してよく混ぜておく。ニンニクとショウガの量はアバウトですが、2:1ぐらい。
  ここに合挽肉を投入し、火加減に注意しながらゆっくり火を通します。挽肉に火が通ったら、甜麵醬(甘味噌)とコチュジャン(辛味噌)を加えますが、これらはお好みで。私の場合は2:1ぐらいにしてみました。さらに、少量の塩、醤油で好みの味に調え、一旦火を止めてから水溶き片栗粉でトロ味を付けます。

  何故、中国の甜麺醤と韓国のコチュジャンを合わせるのかなと思ったんですが、参考にしたレシピがそうなっていたので迷わずチョイス。でも、コチュジャンはピリ辛というより塩辛いので、豆板醤の方が良かったかも?。

イメージ 3  今回、他になかったんで焼きそばの麺を使いましたが、細身の中華麺なら何でも良いようです。麺の上に肉味噌餡をかけ、千切りにしたキュウリを散らして完成です。見た目は、維新號のジャージャー麵にソックリ。
  肝心なお味の方はというと、今回はちょっと甘めになりましたが、初挑戦にしては充分及第点。麺を戻すのに小さじ1杯程度の油を使ったせいで、全体が油っこくなったのがマイナスですが、まずまず満足のいく出来でした。
  それにしても、この肉味噌はテッパンですネ。キュウリに付けて丸かじりしても美味しかったし、ご飯にかけて食べても美味しそう。

イメージ 4  今回使ったキュウリはコレで、過日、組長宅へ回覧板を届けに行ったときに奥様から戴いたもの。「昨日、スーパーで買っちゃったんで・・・」 と一旦は断ったんですが、「うちも近くの農家さんから大量にもらっちゃったのよ。○○さん、お願いだから少し持っていって~。漬物にすれば保存できるから。」 と泣きつかれ、渋々10本ほど戴きました。
  大きさはスーパーで売っているものの2/3ぐらいで、ご覧の通り、思いっきりヒン曲がってる。これじゃぁ箱に入れ難いから、出荷は出来んわな~。
  でも、皮ごとかじってみると、柔らかいし皮が薄くて青臭さもなく、大変良い食感。漬物にするどころか、全部食べちゃいましたよ。

  ジャージャー麵については、忘れられない旅行中のエピソードがありまして・・・。

  2006年9月の北京旅行3日目、300年以上前の清の時代に北方からの異民族の侵入を防ぐために作られた山村がそのまま残っている 『川底下村』 というところへ行きました。そこは、北京の中心部から90キロ余り、地下鉄と車を乗り継いで3時間近くかかるんですが、その帰り途、長旅に疲れたのか案内をしてくれた件のママが熱を出しました。そこで、夕刻に北京に着くとすぐに帰宅させたので、その日の晩飯は自分で何とかせにゃならんことに。

  別れ際、「明日は早朝から空港へ行って帰国するだけだし、晩飯ぐらいどうにでもなるさ」 と強がって見せたものの、中国語は相変わらず你好(ニーハオ:こんにちは)、再見(ザイチェン:さようなら)、謝謝(シェイシェイ:ありがとう)ぐらいしか喋れず、早い話が二歳児レベル。でも、中国旅行も4回目とあって、度胸だけはついてきてるし、中国事情もある程度は解ってきてる。
  晩飯を食うだけならホテルでもいいんですが、まだ時間もあるし、何よりホテルの近くで見かけた 『粥』 という大きな看板を掲げた店が気になる。中国粥も大好物の私としては避けて通る訳にはいかず、早速その店へ・・・。

  店の前には、何故か日本語と同じ表記で 『本日特別割引・八宝粥半額』 の幟も出ていて、こりゃぁお得じゃわいと中に入ってみると、軽食メインのファミレスみたいな雰囲気。日本のファミレス同様、若者たちが飲み物片手にハンバーガーならぬ肉まん食ってる、みたいな・・・。
  メニューを見るとかなりの品数がありましたが、写真付きではないのでほとんど何だか解らない。で、早速、八宝粥をオーダーすると、出てきたのは茶色い汁に小豆が見え隠れするどう見てもお汁粉的なもの。運んできたウェイトレスを呼び止めて、身振り手振りで 「これが八宝粥か?」 と尋ねると、そうだと言う。
  器の中身を掻き回してみると、下から小さくて白い粒々も出てくる。何じゃこりゃぁ、と思いながら恐る恐る食してみると、すごく甘味の薄いお汁粉のよう。

  ここで、以前ママから聞いた話を思い出した。曰く、「中国で粥というと、穀物をスープで煮たもの全てを指す。だから、米のお粥だけではなく、豆をはじめ色々な穀類が使われていて、トウモロコシのお粥なんかも美味しいよ。」 と・・・。それから、「八宝」 とは、八宝菜からも推測できるように 「色々なもの」 という意味。従って、数種類の穀類が入っている粥ということで納得して食べたんですが、これだけではいささか物足りない。

  で、苦心惨憺して漢字だけのメニューを見ていくと、 『老北京炸醤麺』 の文字が・・・。『炸醤麺』 はジャージャー麵のことだと分かっていたから、昔の北京風のジャージャー麵なんだろうなと理解して追加オーダー。
  しかし、待てど暮らせど出てこず、後から入った客が食べ終わって先に帰っていく始末。「俺のジャ
ージャー麵はまだか~?」 と言いたいところだが、言葉が全然話せない
  これは忘れられたんだなと思い、1時間待ったところで諦めて店を出てホテルの方へトボトボ歩いていたら、料理人らしいお兄さんが 「ジャージアンミエ~ン、ジャージアンミエ~ン」 と叫びながら追ってくる。

  頭を掻き掻き店へ戻ると、日本で見慣れたものとは違う趣の料理がテーブルに載っている。どんぶりに盛られた麵はグレーがかったウドンのような麺で、横の皿には真っ黒な塊とキュウリの千切りが載っている。まあ、昔の北京の家庭料理だから麺は自家製の手打ちであっただろうし、上にかける餡の方もそう手の込んだものではないことは、容易に想像できる。
  それを忠実に再現したんだな、と好意的に解釈して恐る恐る試食に及んだところ、コシの強い麺は硬く、よく噛まないと呑み込めない。餡はというと、汁気がほとんどなくて黒い味噌の塊の中に、2㎝角ぐらいの肉が埋まっている感じ。味噌は、赤だしに使う八丁味噌に似ていてめっちゃ塩辛い。
  幸い、麺と餡が別々だったので、餡を少しづつ載せては喉越しの悪い麺と混ぜて食べましたが、全部は食べられず、その日は菓子パンを買ってホテルで食べる羽目に・・・。まあ、こういう小さなトラブルは海外旅行に付き物で、今となっては楽しい旅の想い出の一部となっています。

では、また。

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