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三つのわらべ歌(その1)

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  先週木曜日の慰問公演のときに 『三つのわらべ歌』 という曲を歌いましたが、これは江戸時代からあるような古いわらべ歌を3曲メドレーにしたものです(編曲:源田俊一郎)。その3曲とは、『ずいずいずいずっころばし』、『通りゃんせ』、『あんたがたどこさ』 で、未だ就学前の幼い子供たちが屋内外で遊びながら歌うというか、歌に合わせて遊ぶといったものです。
  この3曲に限らず、古いわらべ歌は歌詞の意味がよく解らないとか、歌詞の前後で辻褄(つじつま)が合わないといったことが多々あって、多くの謎や秘密が隠されていると言われる事があります。しかし、その辺のところを読み解いていくと、昔の風俗・習慣や時代背景などが判って興味深いものがあります。今回は、Wikipedia 等のサイトを参考にわらべ歌の謎や秘密に迫ってみたいと思います。

1.ずいずいずっころばし
(歌詞)
 ずいずいずっころばし ごまみそずい
 ちゃつぼ(茶壷)にお(追)われて とっぴんしゃん ぬ(抜)けたらどんどこしょ
 たわら(俵)のねずみが こめ(米)く(喰)ってちゅう ちゅうちゅうちゅう
 おっとさんがよ(呼)んでも おっかさんがよ(呼)んでも い(行)きっこなしよ
 いど(井戸)のまわ(周)りで おちゃわん(茶碗)か(欠)いたのだぁれ

  わらべ歌というのは、文字もロクに読めない幼い頃に遊び仲間や親から教えられるのが常で、つまり耳から入る音だけで歌詞とメロディーを覚えたものです。そこで、上の歌詞の括弧(カッコ)書きを飛ばして読んでみると、前半部分(ずいずいずっころばし・・・どんどこしょ)の歌詞の意味がチンプンカンプン。なんとなく予想できるのは、「ちゃつぼ(茶壷)」 ぐらい。それに、後半部分(「たわらのねずみが・・・」 以降)との繋がりがよく解らない。
  さらに、後半部分になると、各行ごとの意味はなんとか理解できるものの、行と行との繋がりがイマイチ解らない。父親が呼んでも母親が呼んでも行きっこなし(行っちゃダメ)なのは、俵のねずみなのか?とか、その事と最終行 「井戸の周りでお茶碗欠いたのだぁれ」 との辻褄が合わないなど謎は深まるばかり。

  そこでネット検索してみると、Wikipediaに以下の解説がありました。
  『胡麻味噌を摩(ス)っていると、お茶壺道中 【宇治の新茶を将軍家に献上する行列のことで、寛永9年(1832年)に制度化され、寛永10年から幕末の慶応2年(1866年)まで続けらた。】 が来ると言うので、家の中に入り戸をピシャリと閉めて(=トッピンシャン)やり過ごす。
  斬捨御免の時代柄、庶民は粗相の無いように細心の注意を払っており、子どもたちは両親に呼れても決して外に出てはならないと教えられた。そしてお茶壺道中が通り過ぎるとやっと一息つけのである(=ぬけたらドンドコショ)。ところで家の中で息を潜めていると、米を齧(カジ)っているネの鳴き声や、井戸の近くで茶碗が割れたような音まで聞こえてくる。』

  これで一件落着かと思いきや、Wikipediaにはもう一つ気になる記述が・・・。
  『一方、国語学者などの中には、この歌に性的な意味が含まれていると解釈する場合もある。「茶壺」 は女性の意味であり、男が女に追われて家に逃げ込み、戸をぴしゃんと閉める(「とっぴんしゃん」)、というふうにである。「ずいずいずっころばし」、「ごまみそずい」、「俵のねずみが米食ってちゅう」 も同様に性的なものだとする説もある。』
  こちらの 「わらべ歌が転じてエロ歌説」 も大変気になるところですが、歌詞を見る限りではそんな風には読み取れません。

  ところで、この歌の遊び方として、Wikipediaには『各人が拳を握り、一人が 「ずいずいずっころばし」 の歌のテンポに合わせて、順繰りに拳を指し当てる。歌い終わったときに、ちょうど当てられた者が負け。』と書いてありますが、私が知っている遊び方はちょっと違っていました。
  即ち、各人が拳を握るのではなく手で筒を作り、その中にオニが人差指を順繰りに差し入れるというものでした。これは、地域又は時代の違いによるローカル・ルールだったのかもしれませんが、この行為からは性的な匂いがしないでもないですね。

-(その2)に続く-


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